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ワーキング・プア


『自分の私生活は公開しないくせに、受講者の私生活を知りたがる講師ばかり…怒…、そこで迷物講師は不平等な関係を改める為に、自分の私生活を積極的に公開しま~す…ハイ!…』



2006年(平成18年)のメッセージです。

この前の日曜日(7月23日)にみたNHKスペシャル「ワーキング・プア」は、なかなか考えさせられる番組でした。

働いても働いても豊かになれない「ワーキング・プア」と呼ばれる貧困層が急激に拡大しているらしいです。

働いているのに、生活保護水準以下の暮らししかできない世帯が400万もあるといいます。

宅建の出題範囲でもある「平成15年の住宅・土地統計調査」では、わが国の総世帯数は4,726万なので,一割近くが「ワーキング・プア」世帯ということになります。

都会では「住所不定無職」の若者が急増し、大学や高校を卒業してもなかなか定職に就けず、日雇いの仕事で命をつないでいる人もいるといいます。

にわかには信じがたい番組でしたが、ここ数年、何かが変わっていることは、生活実感として私にもわかります。

この番組では、「ワーキング・プア」の増加は、小泉首相をはじめとする新自由主義者の「弱者切り捨て」に原因があるようなことを匂わせていましたが、私は違うと思います。

産業構造が変化したのが、主因だろうと思っています。

コンピュータの発達・国際化等によって、「仕事自体が沈没」しちゃったのです。

農業沈没の兆しはだいぶ前から知られているし、デジカメの出現で、街の写真屋さん(DPE)は、ほとんどが沈没しちゃいました。

番組で取り上げていた洋服職人(1級技能士)は、最近全然仕事がないといいます。
これも「仕事自体が沈没」した例だと思います。

大型店の台頭によって、いくら腕が良くても、昔ながらの職人が出る幕は無くなってしまったのです。

大型店は、日本の1割以下の工賃でどんどん中国にスーツを発注しています。

コンピュータの発達は、熟練工をますます必要としなくなっているのです。

これからは職人以外の世界でも、「仕事自体の沈没」が増えて行くと思います。

コンピュータで代替できる仕事は、すぐにでも危ないです。

司法書士・行政書士などの士業も安心してはいられません。

サラリーマンの世界でも、すでに正社員は狭き門で、3人に1人が非正規雇用で働いているらしいです。
これも産業構造の変化に主因があるような気がしてなりません。


2006年07月28日(金)記
2023年12月01日(金)追記



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