迷物ブランド講座

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興味を持てれば、宅建の勉強が面白くなる

【1】イントロ

平成22年度は、婚姻による成年擬制に関する問題が二肢でました。
民法で一肢、宅建業法で一肢の合計二肢です。

興味を持てれば、勉強が面白くなります。
面白くなれば長続きします。

それだけでなく、応用力も身につくので、無間地獄からも解放されやすいです。

そこで今回は、平成22年度問30肢1の宅建業法の問題を材料に、勉強に興味を持てるようになることを書きます。期待をこめて…。

【2】平成22年度問30肢1

(問題文)

婚姻している未成年者は、登録実務講習を修了しても、法定代理人から宅地建物取引業を営むことについての許可を受けなければ登録を受けることができない。

(迷物講師の解説)

誤り。

宅建試験に合格し、2年以上の実務経験がない者は、登録実務講習を修了すれば登録を受けることができますが、未成年者は、保護者(法定代理人)から宅建業を営むことについての許可を受けなければ、登録実務講習を修了しても登録を受けることができません。

でも、婚姻している未成年者はここで言う未成年者に当たらず、保護者の許可を受けなくても、登録実務講習を修了すれば登録を受けることができます。

結婚して一家をかまえた経験のある者は、心の発達が成年者と同じとみられるという民法の決まり(「成年擬制」といいます)があるからです。

【3】未成年のうちに離婚したら?

応用力を身につけるために、次は、上の問題文の主人公が、未成年のうちに離婚したら、結論はどうなるか? ということを書きます。

結論は変わりません!

例えば、18歳で結婚して19歳で離婚しても、登録実務講習を修了すれば登録を受けることができます。

【4】なぜ?

上で書いた民法の決まり(「成年擬制」)は、こんな条文です。

民法753条
…未成年者が婚姻をしたときは、これによって成年に達したものとみなす。

この条文は、極めて素っ気ないです。書いてあるのはそれだけ…。
こういう素っ気ない条文があるときは、裁判所や学者がそれを補充する作業をします。それが法解釈です。

そこで一般の学者は、未成年のうちに離婚しても、依然として成年者扱いされると解釈してます。

だから、上の問題では、18歳で結婚して19歳で離婚しても、登録実務講習を修了すれば登録を受けることができる、という結論になるのです。

【5】それはなぜ?

じゃ、未成年のうちに離婚しても、依然として成年者扱いされると学者たちが解釈するのは、なぜだと思いますか?

それは、民法753条の立法趣旨(立法理由)を、次のように考えるからです。

婚姻による成年擬制があるのは、結婚して一家をかまえた経験のある者は、心の発達が成年者と同じとみられるからだ!

心の発達が成年者と同じとみられる以上、離婚しても、心の発達が後退してしまうことはないですね。

だから、未成年のうちに離婚しても、依然として成年者扱いされるのです。

【6】異説

民法753条の立法趣旨(立法理由)を、婚姻生活に対する外部(例:親)からの干渉を排除して、婚姻生活の独立性を維持する必要があるからだ! と考える異説もあります。

それによると、離婚すれば婚姻生活の独立性を維持する必要がなくなるので、未成年のうちに離婚してしまえば、婚姻による成年擬制も無くなってしまいます。

【7】宅建講師の役目

でも、宅建受験者の皆さんは、司法試験の論文を書くのと違って、異説を唱えても点をくれません。

そこが、宅建試験(択一試験)が本来的に有している、味気なさです。

学問の学問たるゆえんは、説の対立を、「自分の人生観と照らして整合性をとりつつ吟味する」ことにあると思うんですが、宅建の勉強は、そういう意味では味気ないです。

その味気なさを少しでも解消するのが、私たち講師の役目だと考えてます。

※関連条文
民法第753条



平成22年12月14日(火)記




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