迷物ブランド講座

宅建倶楽部 >> ブログによらない宅建講師のメッセージ >> 楽に合格する話

オメデトウと私的自治の原則

訳が分らないタイトルかもしれませんが,まあ読んでやって下さい。
そこらへんの参考書や雑誌では読めない,タメになる記事ですから…。

(1)オメデトウ

きょうは,平成24年度宅建試験の合格発表日。
合格した皆さまは,オメデトウです!

(2)希望がキーワード

サクラ散った皆さまは,宅建は「法律の勉強」というのを再確認して下さい。
「そんなの当たり前だろ!」と思ってる人がいたら,もう少し読んで下さい。
これから書くことのキーワードは「希望」です。

(3)希望もしないのに強制されない

またまた「そんなの当たり前だろ!」という声が聞こえてきそうです。

でも,「希望もしないのに強制されない」が当たり前になったのは,わが国では明治30年代になって,今でも使われている民法が施行されてからのことです。長い日本の歴史からみれば,つい最近(近代)のことです。

(4)私的自治の原則

封建社会を打ち破って成立した近代民法は,私的自治の原則を確立しました(わが国では明治30年代)。

私的自治とは,私生活における意思の自由(自治)を尊重することです。
「希望もしないのに,売買を強制されたり,結婚を強制されたりしない!」というのが私的自治です。

(5)私的自治を認めるべきでない行為もある

私的自治には前提があります。

それは,「正常な判断能力(意思能力)を欠く状態でなされた意思表示には,私的自治を認めるべきでない!」という前提です。これは,例外ではなく大前提です。

正常な判断能力を欠く状態での行為は,自由競争の犠牲にならないよう,無効にして(財産を動かせないようにして)これを保護しなければならないからです。

そこで,わが民法を含めた近代民法では,意思能力を欠く状態でなされた意思表示が無効なのは「当然!」の事とされました。
わざわざ民法の条文に書くほどでもない「当然!」の事なのです。

(6)平成24年度問3(肢1)

平成24年度問3の肢1は,

次の記述のうち,民法の条文に規定されているものはどれか。
(肢1) 意思能力を欠く状態でなされた意思表示が無効である旨

という問題でした。

ここまで読んだ皆さまは,肢1 が民法の条文に規定されていないので,1 が正解肢にならないことは理解できたでしょう。

理由も分りましたね!
「当然!」の事は,わざわざ民法の条文に書くほどでもないんですよね!

(7)来年の受験は私的自治で決めればいい

希望もしないのに,私生活上の何かを強制されない!というのが私的自治です。
だから皆さまは,希望もしないのに宅建受験を強制されないのは,私的自治からの当然の結論です。会社から受験を強制されても,ご自分が希望しないのなら,受験すべきじゃないのです。
ここまでくると,「希望」とは何か? 大人の事情を含めた人生哲学が入ってきますが…。

ところで,私的自治の原則からは,
① 所有権絶対の原則
② 契約自由の原則
③ 過失責任の原則
の三つが派生して(分かれて)きます。

さらに私的自治の原則のオブザーバー(立会人)として,
◆ 信義誠実の原則(民法1条2項
◆ 権利濫用の禁止(民法1条3項
が目を光らせています。

実は,平成24年度民法(権利関係)の問題は,上の「契約自由の原則」「過失責任の原則」「信義誠実の原則」のオンパレード状態でした。

(8)やさしいから大丈夫

私的自治の原則は,今回やさしく説明したつもりですが,上の「所有権絶対の原則」「契約自由の原則」「過失責任の原則」「信義誠実の原則」「権利濫用の禁止」なんて,むずかしそうな言葉ですよね。

でも大丈夫。こんなのは全部がやさしいですから…。

迷物講師のブログでは,だんだんに,こういうむずかしそうな理論を皆さまがちゃんと「こねくり回せる」ようにします。

しばらくの間は,今年の本試験に出題された問題を材料に,やさしく記事を書いて行こうと思います。
今年サクラ散った皆さまのために…

むずかしそうな理論をやさしく「こねくり回せる」ようになると,何と言っても宅建の勉強が楽しくなります。そうすると,民法が本当に理解できるようになり,それは宅建業法にも好影響を及ぼすので,高得点合格への道も夢じゃなくなります。


平成24年12月5日(水)記


宅建倶楽部 >> ブログによらない宅建講師のメッセージ >> 楽に合格する話