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「信義誠実の原則」と「権利濫用の禁止」 - その1

(1)イントロ

前々回は,私的自治の原則のオブザーバー(立会人)として,
◆ 信義誠実の原則(民法1条2項)
◆ 権利濫用の禁止(民法1条3項)
が目を光らせている,と書きました。

一般の宅建参考書や過去問解説集にも「信義誠実の原則」や「権利濫用の禁止」は書いてありますが,民法学者が執筆した専門書の抜粋に過ぎず,お世辞にも,宅建受験者向けに噛み砕いて書かれているとは思えません。

そのため,せっかくそのような参考書類を読んでも,宅建の問題が出来るようにはなりません。そこでこれから書く私の記事は,宅建受験者専用に,とにかく問題が解けるようにします。

(2)「信義誠実の原則」とか「権利濫用の禁止」って何?

民法1条2項は,「権利の行使及び義務の履行は,信義に従い誠実に行わなければならない」と書いてあります。これが信義誠実の原則です(民法1条2項)。

民法1条3項は,「権利の濫用は,これを許さない」と書いてあります。これが権利濫用の禁止です(民法1条3項)。

(3)宅建試験対策用に噛み砕こう!

皆さまは,上の条文をみて丸暗記したとしても,これらの条文を「日常生活で使いこなせる」でしょうか? おそらく無理でしょう。 条文の言葉があまりにも抽象的だからです。

権利・義務・信義・誠実って何ですか? 子供にすぐに説明できますか?
どういう場合が濫用(乱用)なのですか? 許さないってどういうことですか?

民法学者も当然気づいていて,学説を出して抽象的な意味を具体化しようと努力していますが,彼らも専門家を自認する以上オリジナリティーを出す必要があり,書いてあることが微妙に違います。

それを宅建参考書の著者が適当に選んで引用するので,宅建受験者の方は余計混乱してきます。

民法学者が書いた「信義誠実の原則」「権利濫用の禁止」についての記述は,学問的には正確です。それを適当に引用した一般の宅建参考書も同じです。でも,そのままでは宅建の問題が出来るようには決してなりません。

そこで,宅建専門で長年やらせて頂いている迷物講師が,宅建受験者のかたのために「信義誠実の原則」「権利濫用の禁止」を噛み砕いて説明しようと思った次第です。

(4)今回の結論

じゃ結論を申し上げます。

第一に,宅建受験者の皆さまは,「信義誠実の原則」と「権利濫用の禁止」を分けて考えないで下さい(学者の大多数・最高裁判所の判例も同じ)。

第二に,「物事の道理に反し,世間が許さない」ことが,信義誠実の原則とか権利濫用の禁止の意味です(この定義は迷物講師のオリジナルなので,同業他社はマネしないこと)。

したがって,一般の宅建参考書類を読む時も,本試験で出題された判例を読まされる時も,「信義誠実」とか「権利濫用」という言葉が出てきたら,これらは「物事の道理に反し,世間が許さない」という意味(あるいは逆に,「物事の道理に反せず,世間が許す」という意味)だな! と思うようにして下さい。

これで,平成24年度を含めて,理解した上で,過去問の問題が全部出来るようになりますから!

じゃ次回は,「物事の道理に反し,世間が許さない」(あるいは逆に,「物事の道理に反せず,世間が許す」)をキーワードに,平成24年度に出題された問題を説明したいと思います。


平成24年12月7日(金)記


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