(1)
これからの時代を読み解くキーワードの一つ、それは「少子高齢化」です。
少子高齢化は先進国共通の悩みですが、いろいろな統計や本を読むと、わが国が一番際立っていますね。
(2)
少子高齢化は、この記事を読んで下さっている皆さんとも関連します。
「風が吹けば桶屋がもうかる式」に宅建試験と関連付けると、次のようになります。
人口が減っている
↓
宅地建物が売れない
↓
不動産関連の従業員が余る
↓
宅建試験の受験者が減る
(3)
もっとも、「宅建試験の受験者が減る」なんていうのは、皆さんの利害とは直接関係しないですね。
どんなに受験者が減少しても、合格率が上昇するわけじゃないし、受験料が安くなることもないです。
せいぜい大手予備校が二つくらい潰れて、不動産関連の試験実施機関の統廃合が促進されるくらいでしょう。
(4)
「不動産関連の従業員が余る」点は、ちょっと怖いです。
一部の例外を除いて、不動産関連業界はリストラがお得意です。
運良くリストラを免れても、昔みたいな出世は望めません。
給料も上がりません(むしろ下がります)。
わが国独特の労働慣行である終身雇用も年功序列も、従業員が足りなかったからこそ成り立っていたのです。
(5)
そもそも、
・ いま崩壊の危機に瀕している年金
・ 多くの人が抱えている住宅ローン
がうまく回転するには、大前提があります。
それは「人口が減らないこと」です。
人口が減っている時代の年金システムなんて、社会保険庁のインチキ官僚の出現を待つまでもなく、末端会員がいないネズミ講と同じ…。
破綻は時間の問題です。
この点、マスコミが突っ込まないのは、私には不思議です。
人口が減っている時代の住宅ローンも、相当ヤバイです。
住宅ローンの金利負担に耐えられるのは、住宅地の値段が下がらないことが大前提です。
人口が減れば、住宅地の価格は長期的には必ず下がります。
住宅ローンを抱えている人は、ローンの元利金の他に、固定資産税・都市計画税等の重い税金を毎年負担しています。
このような重い税負担に耐えられるのも、住宅地の値段が下がらないことが大前提なのです。