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講座・教材の話
新年に際して(2010年1月5日)
(1)
立法(国会)や行政(内閣)は、さまざまな「しがらみ」の中で、問題の先送りに終始してきました。それらのツケがまわり、政権が変わっても、国のチカラではどうしようもなくなってしまいました。そこで、「お願いだから、民間のチカラで底入れしてチョーダイ!」というのが現在の経済情勢なのでしょう。親が子どもの財布をあてにする、まことに情けない状況です。
(2)
この情けなさは、司法(裁判所)の世界にも及んでいます。昨年はじまった裁判員制度は、裁判官養成にかかる費用を国民の財布に頼るものです。旧司法試験制度が廃止されるのも同じ穴のムジナ。法曹三者(裁判官・検察官・弁護士)の養成にかかる費用を国民(受験生・親・法科大学院等)に頼るものに他なりません。
(3)
私が宅建講師を始めた頃、中学時代からの親友M君が発起人となって、弁護士のA先生をたきつけて、Aゼミナールという司法試験の研究室を立ち上げました。
入室の条件は、「経済的に恵まれているとは言えず、かつ、弱者優先の信条をもっていると思われる者。学力は二の次。」というものでした。
研究室といっても、専用の机・本箱・椅子があるだけのビルの一室で、原始会員は10名程度。私もその一人でした。
このビルのオーナーはとてもいい人で、ビルの一室を無償で提供してくれました。最初は週一回、A先生がゼミ形式で、アメリカの法科大学院並みの授業をしてくれました。A先生も完全な手弁当で一切お金をとりませんでした。それどころか、私などは小遣いまでもらった記憶があります。
翌年K君が一人だけ合格しました。それからはK君も司法修習生の同期を誘ってゼミに参加してくれ、ゼミは大いに盛り上がりました。当時私はすでに結婚していましたが、第二の青春時代を謳歌したものです!
なお、いま私が宅建試験に関して、受験者の皆さまにガタガタ言っていることの原点は、このAゼミで得た人生観・知識にあります。
K君(現在は某高等裁判所判事)の合格を皮切りに、Aゼミからは昨年までに50数名の合格者がでました。
でも今年から、Aゼミから合格者が出ることはありません。去年で閉鎖されてしまいました。
(4)
Aゼミの閉鎖も、さかのぼれば、親(お上)が子ども(国民)の財布をあてにする、情けない状況に原因があります。
「お願いだから、民間のチカラで底入れしてチョーダイ!」と言われても、世界同時不況の真っ只中、もう民間にもお上を手伝うチカラなんか無いんですよ!
※
昨年の暮が押し迫ってから義父(私の奥さんの父親)が亡くなったので、この記事では新年のご挨拶はしません。今年もヨロシクです!
平成22年1月5日(火)記
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