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指定都市・中核市・特例市の話

(1)

日本国憲法は,第8章で「地方自治」のことを決めていますが,その中心となる条文は「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は,地方自治の本旨に基いて,法律でこれを定める」と書いてある92条です。

(2)

とは言ってもそんなに難しく考える必要はなく,宅建試験では,日本国憲法92条に書いてある「法律」(中心は「地方自治法」という名前の法律)と「地方公共団体」の事をチョットだけ知っておけばOK!

「地方公共団体」とは,学校で習ったように,

・ 都道府県
・ 市町村

の事です(その他の地方公共団体もありますが,ほとんど無視していいです)。

この都道府県や市町村の,基本的な事を決めているのが,地方自治法という名前の法律なのですが,今日は,都道府県と町村はスルーして「市」の話をします。

それも,人口が多い市の話に絞ります。

(3)

ところで,地方自治法は人口が多い市を特別扱いしてまして,特別扱いの仕方には,次の三つのレベルがあります。

(イ)

第一レベルは「指定都市」です。

これは,政令で指定する人口50万以上の市の事です(地方自治法252条の19第1項)。

鳥取県の人口が約58万人ですから,県にも匹敵する人口を有するのが指定都市ですね。

具体的には,平成24年4月1日現在では,20の市が指定都市になっています。

昭和31年に「大阪市・名古屋市・京都市・横浜市・神戸市」の5市で始まった指定都市は,その後「北九州市」「札幌市・川崎市・福岡市」「広島市」「仙台市」「千葉市」「さいたま市」「静岡市」「堺市」「新潟市・浜松市」「岡山市」「相模原市」の順に増えていき,ついに平成24年4月1日に,「熊本市」が20番目の指定都市になります。

(ロ)

第二レベルは「中核市」です。

これは,政令で指定する人口30万以上の市の事です(地方自治法252条の22第1項)。

宅建倶楽部の事務所がある船橋市は中核市ですが,現在,指定都市の倍の40前後の市が中核市になっています。

(ハ)

第三レベルは「特例市」。

これは,政令で指定する人口20万以上の市の事です(地方自治法252条の26第1項)。

特例市も,指定都市の倍の40前後の市が現在なっています。

(4)

今回,指定都市・中核市・特例市の話なんかをしている理由は,二つあります。

(イ)

一つは,皆さまに,宅建試験の問題文を読んだときの違和感をなくして頂くためです。

例えば去年(平成23年度)は,指定都市・中核市・特例市がらみの問題文が二つありました。

こんな感じです。

===============
平成23年[問 17]
都市計画法に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。なお,この問における都道府県知事とは,地方自治法に基づく指定都市,中核市及び特例市にあってはその長をいうものとする。
===============
平成23年[問 20]
宅地造成等規制法に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。なお,この問における都道府県知事とは,地方自治法に基づく指定都市,中核市,特例市にあってはその長をいうものとする。
===============

(ロ)

もう一つは,そもそも「地方自治」の話は,今年の法改正の目玉なので,少しだけ地方自治のホットな話題を,皆さまに意識してもらいたかったのです。

そのホットな話題とは,最近「地方分権」とか「地域主権改革」とか言われるもので,地域のことは地域に住む住民が責任を持って決めることができる活気に満ちた地域社会をつくっていく事です。

現在の政府は,内閣府に地域主権戦略会議というのを設置していて,地域主権改革の一環として,都市計画法や農地法などを改正し終え,宅建受験者の皆さまは,平成24年4月1日現在施行されている新法で解答しなければならないです。

有名な所では,

・ 農地法3条許可の農業委員会への一本化(知事許可の部分は廃止)
・ 指定都市では指定都市が区域区分できる(旧法は都道府県だけができた)
・ 指定都市では指定都市が用地地域を決定できる(旧法は都道府県だけができた)

などです。


平成24年3月25日(日)記


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